住民の意見を広く取り入れた合意形成手段
住民参加マニュアル
住民参加マニュアルについて 
情報公開や行政改革が声高に求められている中、円滑な社会資本整備のためには住民の意見を広く取り入れた合意形成手段である「住民参加」が不可欠であると考え、1973年にカナダ連邦政府によってでつくられた環境影響アセスメントにおける住民参加についてのマニュアル、「環境アセスメントと再審査プロセス」を、1998年に翻訳・出版しました。
熊本大学名誉教授 中島重旗 監修
中山比佐雄 監修協力
発行所 石風社
また、本書の要点をまとめ、ケーススタディ等を追加した概要版とも言える「住民参加ガイド-住民って誰?-」を追ってつくりました。
ここではその内容をご紹介したいと思います。
●住民参加ガイド―住民って誰?―
住民の信頼と英知を獲得する行政を遂行するための住民参加ガイドライン
行政の民主主義に基づいた健全化を図るために平成13年4月に、国政に関わる各機関の保有する情報の公開に関する法律(いわゆる情報公開法)が施行されます。この法律は官への説明責任要求で、行政は主権者である国民に対し、その諸活動の状況を具体的に明らかにし、説明する責務(説明責任)を全うする制度を構築しなければなりません。この制度を整備することによって、国政の遂行状況に対する国民の的確な認識と評価が可能となり、国政に関する国民の責任ある意志形成が促進されることが期待されています。
しかしながら、これだけでは民主的な行政を行うことは不可能で、具体的に行政に民意を導入する仕組み、いわゆる住民参加のプロセスを作らなければなりません。公共事業の主体者である国民が行政に、いつ、どこで、どのように、合意形成を図るかといった基本的な事柄にさえ明確なルールはないのが現状で、住民参加の定着までには暗中模索(住民と行政が反発して険悪な状態にまで至っている場合もあります)の状態が続いています。
合意形成とは民主主義のルールに基づいて、より良質な、より経済的で住民から高い信頼を得て行政を遂行するプロセスです。このようなプロセスを構築するガイドラインをカナダ環境庁(The Canadian Environmental
Assessment Agency)編のManual on Public Involvement in
Environmental Assessment: Planning and Implementing Public Involvement Programsを参考に作成いたしました。このテキストは1973年にカナダ連邦で編纂され、その後1988年までの15年間の知識と経験を蓄積し、再編纂したものです。いま、ようやく我が国でも住民が主体となることが約束されました。先進地の一つであるカナダの取組みは行政にとっても住民の方々にとっても大いに参考になるものと期待しております。
<目 次>
序説 実施上の概要
■ガイドの目的
第一部 管理者による意志決定者への関与
■住民参加の概要
■住民参加プログラム
■意志決定者と上級管理者からの支持
■住民参加のためのスタッフの配置と組織上の要求
■住民参加における傾向
第二部 住民参加プランの発展
■第1段階・早期協議
■第2段階ステップ1・住民参加の意志決定プロセスを確認する
■第2段階ステップ2・住民を確認する
■第2段階ステップ3・特殊な状況の分析
■第2段階ステップ4・住民参加目的の確立
■第2段階ステップ5・情報交換の必要性の決定
■第3段階・住民参加活動計画の発展
■第4段階・住民参加計画の実施
■第5段階・住民参加計画の継続
■付録1 問題の管理
■付録2 住民参加のデータを見せる
第三部 住民参加のためのテクニック
■はじめに
■住民参加手法の利用1・情報公開フィードバックの手法
■住民参加手法の利用2・住民協議の手法
■住民参加手法の利用3・拡大住民参加
■住民参加手法の辞典1・情報公開の手法
■住民参加手法の辞典2・情報公開のフィードバック
■住民参加手法の辞典3・住民協議の手法
■住民参加手法の辞典4・拡大住民参加の手法
■住民参加手法の辞典5・ジョイント計画の手法
ケーススタディ
1.アルバータ州特別廃棄物処理センター(アルバータ、スワンヒル)
2.ミシガン諸島国立公園保護(ケベック州)
3.カナダのスペリオル石油会社、ヒントンに近接する酸性ガス鉱泉を考慮した、
住民参加プログラム
4.フレイザー河口管理計画(メインランド南部、ブリティッシュコロンビア)
5.国際協議プログラム:カナダ環境保護法と化学製品の管理
6.カルガリー地区航空飛行総合計画(カルガリー、アルバータ)
7.オンタリオ州ブルース半島国立公園
8.アルバータ州、フォートマッケイ協調委員会
9.ブリティッシュコロンビア−フレイザーとトンプソン間の交通機関の見直し
10.ブリティッシュコロンビアスティーブンソン近辺の砂土処理
11.プランテーションにおける害虫駆除−ニューブルンスウィックにおける協議アプローチ
The
Practitioners Speak(実行者は語る)
1.住民参加を行う五つの理由
2.住民の智恵を取り組むことによってよりよい解決を
3.住民参加は情報公開から
4.住民の意見を素直に聞くこと
5.Fort McKayのより進んだ例
6.住民との話し合いは十分に計画すること
7.住民参加の担当者は誠実であれ
8.住民のための住民参加プログラム
9.住民参加は多数決ではなく全員一致を目指せ
10.あらゆる主要グループと非公式の意見交換の場を持つこと
11.住民の関心を過小評価してはならない
12.住民参加における意志決定プロセスは小さな決定の積み重ねである
13.意志決定プロセスの手順を住民に提示しなさい
14.意志決定の過程は複雑に変化することに担当者は注意しなければならない
15.住民に不信感を与えてはいけない
16.住民参加の秘訣とは
17.あらゆる意見を聞くこと
18.住民参加計画に入る前に入念な準備をする
19.グラフには一万ドルの価値がある
20.住民参加プランは住民とのコミュニケーションの改善だけではなく行政側の人々を話し合いの場に引き込まなければならない.
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